障がいを抱える人でも自由に海を楽しめるイベント「Universal Beach PROJECT~みんなが楽しめるビーチへ~」が10月5日(土)に静岡県白浜海岸にて開催された。本イベントは、JPSA ジャパンプロサーフィンツアー 2019 「伊豆下田 CHAMPION PRO」のアナザーイベントとして行われ、地域の子どもたちやハンディキャップを持つ人、プロサーファー、パラアスリートなどが別け隔てなくビーチに集い、サーフィンやビーチアクティビティを通して素敵な思い出を作ろうというプロジェクト。大勢のプロサーファーのサポートを受けてのサーフィン体験などを実施し、これまで海で遊ぶことが叶わなかった息子が見せた満面の笑みに涙を浮かべる母親の姿もあった。

本イベントは、日本初のアダプティブサーフィンエキシビジョンからスタートした。アダプティブサーフィンとは、障がいを持った人がアダプティブ(適応生のある)にライディングを行うサーフィンのこと。世界大会なども開催されているが、日本においてはプロのサーフィン大会の中での実施は今回が初。

 

盲目のパラアスリート葭原滋男(よしはら・しげお)をはじめ、さまざまな障がいを持つ7名がアダプティブにサーフィンに挑戦。ハンディキャップを感じさせない見事なライディングに対して会場から拍手が巻き起こった。大会アナウンスが「本大会よりも盛り上がっているのではないでしょうか」と語る程、会場には一体感が生まれていた。

アダプティブサーフィン終了後、車椅子でも浜辺を移動できるビーチマットが敷かれているエリアに移動し、子どもたちのサーフィン体験が行われた。障がいを持つ子やそうでない子どもたち10人と水野亜彩子(みずの・あさこ)をはじめとする数十人のプロサーファーが自ら参加した。障がいを抱える子たちが安全にサーフィンを体験できるように、障がいに応じて体験方法を考案し、プロサーファーたちが海に並んで即席の防波堤になり大きめの波をブロックするなど選手の協力で体験は進行。サーフィン体験を終えた男の子が笑顔を見せると母親は感極まって涙を見せた。その姿を見たサーファーたちや会場の参加者には、喜びの表情が溢れていた。

また、兄弟で体験に参加した子どもたちの母親も急遽一緒にサーフィンを体験。普段は子どもたちと海で遊ぶことはなかなかできないという母親は「今日で人生が変わりました!サポートしてくれた皆さんありがとうございます!」と語り笑顔をみせた。

最後に、東京五輪正式種目でもあるブラインドサッカー元日本代表の葭原氏の指導の元、ブラインドサッカー体験会が執り行われた。今回は『ボイ』(スペイン語で行くという意味)と声をかけてくる相手をドリブルで交わすことに挑戦。「音と声がとにかく大事なスポーツ」と語る葭原氏が、まずは手本として軽快なドリブルで綺麗に相手を抜いていくと、「葭原さん見えてるんじゃないですか?」と驚きの声が上がる程だった。一方、体験したプロサーファーは、足元のボールを見失ってしまい、ドリブルどころではなくなってしまう。「前が見えないので怖かった」とブラインドサッカーの難しさを語る。参加者からは、なかなかできない体験にパラリンピック競技への関心を高める声が多く上がっていた。

今回のイベントはプロサーファー、障がいを持つ人、その家族などがサーフィンやビーチを通じて笑顔になり、それぞれに素敵な思い出を残したイベントとなった。東京2020の正式種目として盛り上がりを見せるサーフィン、ブラインドサッカーだが、今後もこういった機会が増えて、垣根が一切ない、みんなが楽しめるビーチが広がっていくことを期待したい。

「Universal Beach PROJECT~みんなが楽しめるビーチへ~」

開催期日:2019年10月5日(土)13:00~15:00
開催場所:静岡県白浜海岸
ゲスト:葭原滋男、水野亜彩子

JPSA ジャパンプロサーフィンツアー 2019伊豆下田 CHAMPION PRO
開催期日:2019年10月4日(金)~6日(日)
開催場所:静岡県白浜海岸
出場選手:【男子】ショートボード公認プロ81名(2018年度実績)
【女子】ショートボード公認プロ35名(2018年度実績)
主催:一般社団法人 日本プロサーフィン連盟(JPSA)
特別協賛:レプロエンタテインメント

ゲスト出演者情報
葭原滋男(よしはら・しげお)
元ブラインドサッカー日本代表
シドニーパラリンピック金メダリスト(自転車視覚障害タンデム男子100mタイムトライアル)
10歳の頃に網膜色素変性症を患い22歳の時に全盲となる。

水野亜彩子
プロサーファー
2014年度 JPSA 年間ランキング 2 位
若干15歳で JPSA プロデビュー。

Similar Posts